【営業のコツ】クロージングで成約率を伸ばす実戦ガイド
【営業のコツ】クロージングで成約率を伸ばす実戦ガイド
「良い提案なのに最後で決まらない」——それは提案力ではなく“クロージング設計”の問題です。営業のコツは、商談の終盤だけで頑張るのではなく、序盤から“決まる条件”を積み上げること。ここでは、成約率を継続的に上げるための実戦フレームと会話例をまとめます。
1. 7つのスイッチで“決まる商談”に組み替える
- 事前合意(PBC)
Purpose/予算/意思決定基準を最初に合わせます。
例:「今日は導入可否の判断材料をそろえる場にしませんか。ご予算帯と判断基準を教えてください」 - 課題→影響→価値(SPIN応用)
「課題→放置コスト→解決価値」を言語化。
例:「見積り作成に毎月30時間。人件費で月◯円の機会損失です」 - 決裁構造の特定(MEDDICC要素)
ユーザーと決裁者を分けて確認。
例:「最終承認は◯◯部長でしょうか。次回はご同席いただけますか」 - 単一メッセージ化(1枚提案)
“貴社の成果=KPI改善×導入リスク低減”を1枚で提示。迷いを減らします。 - 合意ドリブンのクロージング
・推定承諾:「では開始日は15日と22日、どちらが動きやすいですか」
・二者択一:「一括と分割、キャッシュフロー上はどちらが安心ですか」
・条件付き合意:「部長承認が得られたら、当社は初期費用を10%オフで確約します」 - 反論処理(LAER)
Listen→Acknowledge→Explore→Respond。
例:価格反論には「価値の再定義→比較対象の再設計→段階導入」の順で。 - リスク反転
試用・段階導入・返金条件など“買わない理由”を先回りで除去。
2. 成約率を“測って育てる”KPI設計
- 基本式:成約率 = 受注数 ÷ 提案件数
- 分解:リード→商談化率→課題深掘り率→決裁者同席率→成約率
- 改善法:
・決裁者同席率を20→50%に引き上げる(次回日程をその場で確約)
・提案前の“放置コスト”を金額で提示(意思決定を早める)
・クロージング台本をA/Bテスト(件名・言い回し・合意の取り方)
記録テンプレ:①課題/影響金額 ②意思決定者/プロセス ③合意事項 ④残課題 ⑤次回“日付つき”アクション。
3. 会話例(BtoB 例)
営業:「現状、見積り作成に月30時間。人件費は約◯万円。3か月後に◯◯KPIを○%改善できます。最終承認は◯◯部長ですよね?」
顧客:「そうです」
営業:「では来週、◯◯部長同席で15日or22日、どちらが良いですか。段階導入で初期リスクはゼロにします」
——“日程合意+リスク反転”で自然にクロージング。
4. よくある失敗と回避策
- 「ご検討ください」問題 → 次回“日付つき合意”がない商談は未完成。場で確約。
- 値引き依存 → 価格でなく“未導入コスト”の再提示へ。
- 決裁者不在 → 次回は必ず同席条件で設定。メールで“合意メモ”を即送付。
5. すぐ使えるクロージング・フレーズ集
- 「本件、部長ご同席で15日と22日、動きやすいのはどちらでしょう」
- 「導入後30日で◯◯を数値化します。達成しなければ段階導入を延長します」
- 「一括/分割、どちらが社内承認を通しやすいですか」
- 「今日の合意をメモにして共有します。相違なければそのまま申請にお使いください」
- 「意思決定基準に追加条件はありますか。なければこの条件で申請に進めます」
6. 実装チェックリスト(保存推奨)
- 事前に予算・判断基準を合意
- 放置コストを“金額”で提示
- 決裁者を特定し同席日程を場で確約
- 1枚提案でメッセージを単純化
- 反論処理はLAERで一貫
- リスク反転の仕組みを用意
- 商談後3時間以内に合意メモ送付
まとめ:営業のコツは“終盤テク”だけではありません。序盤から「合意・決裁・価値・リスク反転」を設計し、定型文をA/Bテストで磨く——それがクロージングの質を底上げし、成約率を長期的に伸ばす最短ルートです。