営業PDCAで売上アップ ──成約率が上がらない営業が、まず捨てるべき「正しそうな努力」
「商談数は増やしてるのに、なぜか成約率が上がらない」
この状態、根性やトーク力の問題に見せかけて、だいたい“設計ミス”です。
営業で起きる一番もったいない現象はこれ。
- 頑張っているのに成果が伸びない
- PDCAを回してるのに改善してない
- 数字を見てるのに、打ち手がズレている
原因はシンプルで、PDCAが「作業改善」になっていて「勝ち筋探索」になっていないから。
ここから、水平思考でいきます。つまり、努力を足す前に「構造」を変えます。
成約率が上がらない営業に共通する“ズレ”
まず、失速している営業は、次のどれかに当てはまります。
- 全案件を同じ温度感で追っている
→ 見込み薄を追い続けて、濃い見込みの対応が薄くなる。 - ヒアリングが「情報収集」で終わっている
→ お客さんの“痛み(損失)”が言語化できていないので、提案が刺さらない。 - 提案が「説明」になっている
→ “比較”と“決断”の設計がなく、検討で止まる。 - 振り返りが「反省会」になっている
→ 行動を増やすだけで、成約率に効くレバー(要因)を触れていない。
ここで大事なのは、成約率は気合ではなく方程式だということです。
売上アップのための「営業PDCA」:見るべきはこの3点だけ
売上は分解するとこうなります。
売上 = 商談数 × 成約率 × 平均単価
多くの人は商談数ばかり増やします。でも本当に伸びるのは、次の3つを“狙って”改善した時。
A:成約率が落ちるポイントはどこか?(工程別の落ち)
営業プロセスを4つに切ります。
- ①初回接触(アポ〜初回商談)
- ②課題特定(ヒアリング)
- ③提案(比較・稟議・意思決定)
- ④クロージング(最終判断)
そして、案件を10件だけでいいので、どの工程で止まったかを記録します。
ここをやらずに「トーク改善」しても、たいていズレます。
B:勝ちパターンはどれか?(勝ち筋の抽出)
成約した案件を見て、共通点を3つ抜きます。
- 相手の役職は?
- 相談のきっかけは?
- 決裁までの流れは?
- 一番刺さった一言は?
勝ちパターンが1つでも見つかれば、PDCAは加速します。
「負けを潰す」より「勝ちを増やす」ほうが早い。これが水平思考。
C:次の一手は“1個だけ”変える(実験設計)
改善が遅い人は、毎回いろいろ変えます。
それだと原因が特定できません。
- 変えるのは 1回のPDCAで1変数だけ
- 期間は 最短1週間
- 評価指標は 成約率ではなく中間指標
例:
「提案書を変える」なら、見る指標は成約率じゃない。
**“次回商談の確約率”**です(提案後に次が取れるか)。
具体的な解決策:成約率を上げる「4つの打ち手」
ここからは、今日から変えられる実務の手。
打ち手1:見込み度を“点数化”して追う(追う案件を減らす)
成約率が上がらない最大要因は、追う案件が多すぎること。
案件を5項目で10点満点にします。
- 課題が明確(2点)
- 期限がある(2点)
- 予算がある(2点)
- 決裁者に会えている(2点)
- 比較対象が把握できている(2点)
合計 **7点未満は「育成」**に回す。
商談の時間を、濃い案件に再配分するだけで成約率は上がります。
打ち手2:ヒアリングは「現状→理想→障害→損失」で聞く
質問の順番を変えると、刺さり方が変わります。
- 現状:いまどうなってます?
- 理想:本当はどうなりたい?
- 障害:それを邪魔してるのは何?
- 損失:このままだと何が失われる?
最後の“損失”が言語化できると、提案は自然に強くなります。
成約は「納得」より「決断」で起きます。決断は損失回避で加速します。
打ち手3:提案に「比較の軸」と「次アクション」を入れる
提案で止まる人は、資料が良くても次が曖昧。
- 比較の軸:A案/B案/現状維持の3つで比較表を出す
- 次アクション:今日決めることを1個に絞る
例:
「導入する/しない」じゃなくて、
**“まず1部署で2週間トライアルするか”**に落とす。
決断のハードルを下げるのが、水平思考の勝ち筋です。
打ち手4:クロージングは「確認→選択→不安潰し」の順
押し切るより、相手の不安を“言葉にさせる”ほうが成約します。
- 確認:「ここまでで、方向性としては合ってますか?」
- 選択:「進め方はA(小さく開始)とB(まとめて導入)どちらが現実的ですか?」
- 不安潰し:「最後に引っかかってる点、遠慮なく言ってください」
この流れだけで、検討落ちが減ります。
1週間で回す「営業PDCA」のテンプレ
最後に、最短で効く回し方を置きます。
P(Plan):今週は「提案後の次回確約率」を上げる
D(Do):提案に「A/B/現状維持の比較表」を必ず入れる
C(Check):提案10件中、次回が確約できた件数は?
A(Act):確約できた案件の共通点を3つ抽出し、来週も継続 or 1点だけ改良
PDCAは“回す”より、当てにいくものです。
まとめ:売上アップは「努力量」ではなく「改善の設計」で決まる
成約率が上がらないとき、やるべきは気合を増やすことじゃない。
- 追う案件を減らす
- ヒアリングで損失を言語化する
- 提案に比較と次アクションを入れる
- クロージングは不安を言わせる
この4つを、1週間単位で1個だけ改善していけば、営業PDCAは機能し始めます。
売上アップは、派手な一発より、地味な“当たりの再現”で作れます。