【営業クロージングのコツ】成約率を底上げする水平思考7ステップ
【営業クロージングのコツ】成約率を底上げする水平思考7ステップ
「良い提案なのに、最後の一押しで落ちる…」。それは“説得”不足ではなく“設計”不足です。営業のクロージングは、偶然の名言より、再現可能な手順。ここでは営業/クロージング/コツ/成約率を軸に、現場で使える7ステップとスクリプト、実例まで一気通貫で解説します。
1. ゴールの二重定義で迷いを消す
クロージング前に「本日のAゴール=契約」「Bゴール=意思決定者同席の再商談を確定」と二重ゴールを宣言。受注の“次善策”を設けることで、沈黙や曖昧な保留を減らせます。
例:「本日はご契約、もしくは来週の最終確認ミーティングを確定できれば理想です」
2. 課題→解決→証拠→次の一歩(PREP拡張)
- 課題:現状の損失を定量化
- 解決:自社が埋める差分を一文で
- 証拠:事例・数値・第三者評価
- 次の一歩:契約/導入の具体的フロー
この順序で話すと、成約率の最大阻害要因「判断コスト」を削れます。
3. 準クロージング3問(合意の階段)
1)「方向性は合っていますか?」
2)「投資対効果の考え方に違和感は?」
3)「導入時期の候補は○月△日と○月×日なら?」
小さな“Yes」を積み上げることで、最終クロージングの心理的段差をなくします。
4. 価格は“支出”ではなく“差益”で語る
ROIのミニ試算を客先データで即席作成。
例:月間ムダ工数30h×人件費4,000円=12万円削減 → 年144万円。導入費60万円=初年度純効果+84万円。
数字が出た瞬間、値引き要求は弱まります。
5. 迷いの正体を名指しする(T-MAP)
Time(時期)/Money(費用)/Authority(決裁)/Priority(優先度)。
「一番の懸念はT・M・A・Pのどれですか?」と選択肢質問で核心に到達。原因が特定できれば、対処は半分終わりです。
6. 反論は“イエス→理由→選択肢”で返す
- イエス:「ご懸念もっともです」
- 理由:「同規模の企業も最初は同様でしたが…」
- 選択肢:「まずは30名部門からの段階導入と、成果連動の可変プランどちらが現実的でしょう?」
対立を避け、合意のテーブルに戻します。
7. 手を動かす二者択一で締める
「発注書を本日電子で送付か、明朝9時のお届けか、どちらがスムーズですか?」
“やる/やらない”ではなく“どちらにするか”で意思決定を前に押します。クロージングのコツの王道です。
スクリプト即使用セット(抜粋)
- 推定承諾:「では、初月は標準プランで進め、その効果をKPIで可視化する、でよろしいですね?」
- 二者択一:「導入開始は15日と25日、現場負荷が少ないのはどちらですか?」
- サマリークローズ:「課題A/B/Cに対し、機能①②③で対策。ROIは初年度+84万円見込み。では、申請書類の社内回覧を今日から着手しましょう」
実績の型(匿名事例)
- 建設業S社:提案前に二重ゴールを設定+T-MAPで障害特定→成約率18%→31%、平均リードタイム45日→28日(3か月)。
- ITサービスB社:ROIミニ試算テンプレを標準化→値引き要求46%減、単価下落を抑制。
※再現性重視の“手順化”が共通点。
よくある失敗と回避法
- NG:最後だけ頑張る → 対策:商談冒頭で二重ゴール宣言
- NG:価格で押し切る → 対策:差益で語る即席ROI
- NG:保留の正体が不明 → 対策:T-MAPで名指し質問
成約率を上げるチェックリスト(保存版)
- 二重ゴールを宣言した
- 課題→解決→証拠→次の一歩で構成した
- 準クロージング3問で“Yes”を積み上げた
- 客先数値でROIを即席試算した
- 反論は「イエス→理由→選択肢」で返した
- 最後は二者択一で“手を動かす”質問をした
まとめ:クロージングは才能ではなく設計と手順。上記7ステップとスクリプトを商談台本に落とし込み、毎回チェックリストで検証すれば、営業の成約率は着実に伸びます。次の商談から、まずは「二重ゴール宣言」と「ROIミニ試算」だけでも実装してください。今日のあなたの“最後の一押し”が変わります。