「営業1on1で話すことがない」を解決する仕組み化の秘密

あなたは今、こんな経験をしていないだろうか。

上司から「来週、1on1やろう」と言われた瞬間、頭の中が真っ白になる。何を話せばいいんだ? そのプレッシャーは、まるで突然「即興でスピーチしてください」と壇上に引っ張り出されるような感覚だ。

実は、これは個人の問題ではない。構造の問題だ。

 

営業の1on1が「詰め」になる理由

多くの会社で、営業の1on1はいつの間にか「数字の確認会」に成り下がっている。

「今月の進捗は?」

「あの案件、どうなってる?」

「なんでアポが取れてないの?」

気づけばそれは、面談ではなく尋問だ。話すことがない、ではなく、話したくないのだ。当然だろう。毎回責められる場所に、自分から心を開いて行ける人間がどれほどいるか。

ここに、水平思考の問いを一つ投げかけたい。

「1on1で話すことがないのは、話す”内容”がないからではなく、話す”構造”がないからでは?」

 

コンビニから学ぶ、営業1on1の仕組み化

突然だが、コンビニのレジを想像してほしい。

「温めますか?」「袋はご利用ですか?」「Tポイントはお持ちですか?」

店員は毎回、この流れを自然にこなす。迷わない。詰まらない。なぜなら聞くべきことが決まっているからだ。

これは営業の1on1にそのまま応用できる。

優れた1on1とは、天才的なコミュニケーション能力の産物ではない。再現性ある問いの設計だ。

 

話すことに困らない「1on1テンプレート」の作り方

仕組み化のカギは、たった3つの時間軸だ。

① 過去を振り返る問い(What happened?)

「先週、一番手応えを感じた瞬間はどこだった?」

「逆に、もう一度やり直せるとしたらどのシーンを変える?」

数字ではなく体験を聞く。ここが重要だ。体験を語り始めると、人は自然と本音を話す。

② 現在を整理する問い(What’s blocking you?)

「今、一番頭を占めていることは何?」

「もし明日から一つだけ変えられるとしたら?」

問題の報告ではなく、思考の整理を促す場にする。上司が答えを出す場ではない。メンバー自身が答えを見つける場だ。

③ 未来を設計する問い(What’s next?)

「来週、自分で決めてやってみることは?」

「一ヶ月後、どんな状態になっていたい?」

行動を「やらされる」のではなく、自分で宣言させる。人は他人に決められた約束より、自分で口にした約束を守ろうとする。

 

「仕組み」が生む、予想外の副産物

この3つの問いを仕組み化すると、不思議なことが起きる。

メンバーが1on1の前に考えてくるようになるのだ。

「今週何を話そうかな」と、自分でアジェンダを持ち始める。受け身だった人間が、主体的になる。これは魔法ではない。心理的安全性と構造が掛け算された結果だ。

そしてもう一つ。上司も変わる。

聞くことが決まっていると、余計なプレッシャーをかけなくなる。詰める必要がなくなる。なぜなら、構造が勝手に問題を炙り出してくれるからだ。

 

最後に、本質的な問いを一つ

営業の世界では「再現性」こそが最強の武器だ。トップセールスの感覚を仕組みに落とし込み、誰でも使えるようにする。それが組織の強さになる。

1on1も同じだ。

「話すことがない」は終わりではなく、仕組みを作るサインだ。

今日から、あなたの1on1に「問いのテンプレート」を一枚持ち込んでみてほしい。最初はぎこちなくていい。やがてそれは、チームの文化になる。

そしてある日、メンバーがあなたにこう言うだろう。

「この1on1、なんか楽しみなんですよね」

それが、仕組み化の本当のゴールだ。

 

あなたのチームの1on1は、詰める場ですか?それとも、育てる場ですか?